どの学校にも職場にもご近所さんの中にも自己中心的な人はいますね。
密かに、「○○さんは自己中だ。」と囁かれるのです。
正直なところ、そのような人と一緒にいることは、愉快なことではなく、時にはストレスが溜まることでもあります。
一体どうして自己中心的になってしまうのでしょうか?
ここでは、自己中心になる人は育ちに問題があるのか、本人に気付かせて、治すことはできないものか考えてみましょう。
自己中心的な人は育ちが悪いのが原因?
自己中心的な人は育ちが影響していることは容易に想像できます。
自己中心的な人は、次のような特徴があります。
・自己顕示欲が強い。
・自分のことしか考えない(相手のことを考えない)
・周りの空気が読めない
・おこりっぽい
・プライドが高い
誰にでもこのような傾向はありますが、それが顕著になると自己中だということになります。
赤ちゃんは全くの自己中ですね。
夜泣いたら迷惑かなどと考えることはありません。
お腹が減れば泣き、寝付けなければところかまわず抱っこをせがみます。
そういう赤ちゃんでも、成長して幼児になれば、食事の時間まで待つとか、やたらと泣くのではなく、眠くなくても時間になれば布団に入るという習慣を身につけていくわけです。
やがて大人になれば、他人の迷惑になるようなことは言わないし、しない常識のある人になるのです。
ところが、成長の過程で極端に甘やかされたり、厳しくされ過ぎたりすると常識的な判断をすることができないままの大人になることがあります。
つまり、自己中心的な人が出来上がるわけです。
かつて、中国では一人っ子政策がとられていましたが、この間に生まれた子どもは一家に一人だけという状態でした。
その結果、子どもは両親や両家の祖父母に大事に育てられ、将来を期待されているだけに、甘やかされ、欲しいものは何でも与えられました。
競争相手もいないためにわがままで、我慢することのできない人になってしまったことが社会問題になったことはご存じでしょう。
反対に、極端に厳しくされて育った子どもは、叱られるのが怖いから親の言いなりになっていたとしても、いつも満たされない状態が続くことになります。
必要なものも与えられないような環境に育てば、大人になって何が何でも自分のものを増やそうという欲が出てくるのは当然とも言えますね。
自己中を本人に気付かせる方法はあるの?
自己中を本人に気付かせるのはかなり難しいです。
「あなたは自己中でみんなに迷惑をかけていますよ。」と教えてあげる人がいたとして、
「ああそうですね、改めましょう。」と答える人はほとんどいないでしょう。
自分のことが分かっていないのですから。
自己中の人にその状態に気付かせるには、次のようなことがヒントになります。
直接的に注意するよりも似たような事例を出して説明する
「○○さんは、夏休みを取る計画を立てるときには、必ず一番先に自分の休みたい日に名前を書いてしまって、他の人が休みたいと言っても譲ってくれないのよ。これって自己中よね。」と言ったとしましょう。
これを聞いて、「自分も似たようなことをしていたな。他の人の都合なんて考えていなかったのはまずかったかもしれない。」と思うかもしれません。
他人のことならある程度冷静に判断できるのです。
複数の人が冷静に話してみる
ある中学校の掃除の時間に、清掃活動にあまり協力的でない生徒がいました。
いつも一番楽な場所に陣取って掃除をするふりだけして、他の人が苦労していても全く協力しませんでした。
同じ班の人は我慢していましたが、ついに掃除が終わった後の反省会の時に、複数の人が「○○さんはいつも同じところだけ掃除をして、大変な場所の掃除にはまるで協力していないですよね。」
「みんな汗だくなのに、○○さんだけクーラーのあるところを掃除するのは不公平ではないですか。」というようなことを口々に言いました。
さすがの○○さんも他の人が全員自分のことを同じように見ていたことに気付いて、「確かに私は楽をしようとしていたかもしれない。」と反省しました。
1人の人が言うよりは、複数の人が指摘するならば、言われた人が改めるきっかけになりますね。
自己中の治し方は?一生治らないもの?
自己中というのは自覚がない場合が多いですが、一生治らないと決めつけることはありません。
もし、自分が自己中かもしれないと気づいたら、次のようなことを心がけましょう。
相手の立場に立って物事を考える習慣をつける
私はこうしたい、こうなりたいではなく、一歩譲って、相手はどうしたいだろうか、どう思っているかを考える習慣をつけることは大事です。
先の休みを取るという事例なら、「私はこの日を休みたいが他にも休みたい人がいるかもしれない。」
「××さんも休みたいようだから譲るべきかもしれない。話し合ってみよう。」
となれば、かなり自己中から脱却できていると思えますね。
周りの人がやっていることに関心を持ち良いことは見習う
自己中の人は自分のことばかりで他の人のしていることはあまり見ていません。
隣の人は、同僚は、友達は、どんなことをしているかに関心をもってみましょう。
今まで見えていなかったその人の一面が見えてくるはずです。
他の人がやっていることでいいなと思うことは自分も見習って良い習慣を身につけることは有益です。
ほかの人の話をよく聞く
これもとても大事です。
自己中の人は、「私はこれができる。こんなことをして成功した。」というような自慢話をしがちです。
まず人の話に耳を傾ける努力をしてみましょう。
彼も苦労しているのだなということが分かれば、話の方向もおのずと違ってくるはずです。
ある学校の教師をしていた人が、転勤になって新しい土地に行ったところ、周りの人がなかなか自分を受け入れてくれず、
「私一人がこんなに苦労しているのにどうして受け入れてくれないのか。」とノイローゼのような状態になりました。
しかし、ある時自分は実力もあり、経験のある教師だから、当然みんなが認めてくれていいはずだと、自信過剰になっていたことに気付きました。
つまり自己中心的になっていたのです。
人の話をよく聞いていなかったことにも気付き、
以後人の話をよく聞き、失敗があったら謝り、良くしてくれた人には積極的にお礼を言うようにしました。
すると周りの人がその人に協力的になってくれて、学校生活がスムーズにいくようになりました。
心掛け次第で、自己中は改善されることがあるのですね。
まとめ
自己中心的の人は、育ちが良くないことが原因のひとつであることがあります。
自己中の人に自分の状態に気付かせるには、他の事例を使って納得させる、複数の人が冷静に話してみることは効果があります。
自分が自己中かもしれないと気付いたら、他の人のことに気を配る努力をしましょう。
自己中の人が少しでも減ることを期待したいものですね。
コメント