月桂樹は地中海沿岸が原産の樹木で、明治時代にフランスから日本へやってきたとされています。
雌雄異株の植物で、日本で流通している月桂樹のほとんどが雄の株なのだとか。
ただ複数株の月桂樹を同じように育てていても、一方だけ花が咲かないということはありませんか?
そこでこの記事では、
・月桂樹の花が咲かない原因とその対処法
・月桂樹をうまく育てるポイント
について詳しく解説します。
月桂樹の花が咲かない原因とは?
実は、月桂樹を植えていても花が咲かないというのは多々あります。
複数株を植えていても、一株しか花が咲かないということも珍しくありません。
この月桂樹の花が咲かない原因ははっきりとはわかっていませんが、考えられる原因として、
・日照不足
・水はけの悪さ
・肥料不足
・花芽を剪定で落としてしまった
・病害虫の被害
・気候に合わなかった
・前年たくさん花が咲いた
・木が若い
などが挙げられます。
暑さ寒さに強く、ガーデニング初心者でも比較的育てやすいといわれる月桂樹。
花が咲かない原因として、以下にあてはまる所がないかチェックしてみてください。
日照不足
日当たりの良い場所を好む月桂樹ですが、半日陰でもうまく育てることができます。
しかし、月桂樹の花芽がつく時期に日照不足に陥いったり、長雨が続いてしまうと、花のつきが悪くなることがあります。
もし毎年花が咲いているのに今年はなぜ咲かなかったの?というときは、天候を振り返ってみましょう。
花芽がつく時期に日照不足になっていた可能性があります。
水はけの悪さ
月桂樹は水はけのよい土壌を好みます。
土の表面が乾いたら水やりをしますが、水をやりすぎると根腐れをおこしてしまい、それが花のつきにも影響します。
肥料不足
月桂樹が花を咲かせるためには、適切な栄養が必要です。
栄養が不足していると、植物は生存のためにエネルギーを葉や根へと優先的に使うため、花をつける余裕がなくなってしまいます。
花芽を剪定で落としてしまった
月桂樹はこまめな剪定がおすすめですが、バッサリと切ってしまうと花芽も落としてしまうことがあります。
月桂樹の木は、春の3月から4月ごろに小さな花を咲かせます。
そのまえに枝を短く切ってしまうと、花芽も切ってしまうため、春に花を咲かせることができません。
強剪定するときは、「もしかしたら花が咲かないかもしれない」ということを覚えておいてください。
病害虫の被害
耐寒性・耐暑性に優れた月桂樹ですが、病害虫の被害に遭いやすい木でもあります。
カイガラムシなどの害虫がついたり、すす病にかかってしまうと木が弱り、花を咲かせる力を失くしてしまいます。
カイガラムシなどの害虫を見つけたらすぐに取り除くこと、葉を剪定をして風通しの良い状態を保ってあげることが大切です。
気候に合わなかった
耐寒性・耐暑性に優れ、本州の宮城県あたりまでは育てることができる月桂樹。
しかし、夏の異常な暑さや冬の低温が続きすぎると、花が咲かないことがあります。
平年よりも暑い・寒いときはうまく対策をしてあげるとよいですが、季節や気候の影響を完全に避けるのは難しいでしょう。
前年にたくさん花が咲いた
月桂樹の花が平年よりもたくさん咲いた翌年は、木が疲れてしまい花が咲かないことがあります。
木がパワー不足になっている状態ですね。
月桂樹の様子を見て肥料を与えてあげると、翌年にまた花を咲かせることがあります。
まだ木が若く成長途中
木が若い場合や、植え替えた直後も花が咲かないことがあります。
若い木の間は成長するのに多くのエネルギーを必要とするため、花をつけるための余力がないのです。
また移植したあと、数年待つと花が咲くこともあります。
上記のように、月桂樹の花が咲かない理由は色々と考えられます。
ただし、葉が青々として元気であれば、春に花が咲かなくてもそれほど心配する必要はありません。
長い目で見て、月桂樹の成長を楽しみましょう。
もしも葉が黄色くなっている場合は、水はけや肥料のやり方をチェックしてください。
月桂樹をうまく育てるポイント
ネット上では「月桂樹は庭に植えてはいけない」との声もありますが、月桂樹は成長が早く、こまめなお手入れが必要なのは事実。
こちらの記事でも詳しく解説しています。
でも、月桂樹はきちんとお手入れをすれば、安心して育てることができますよ。
以下にうまく育てるコツをご紹介します。
水やり
【地植えの場合】
地植えした月桂樹には、最初の2年間、定期的にたっぷりと水を与えることが重要です。
土が乾いていれば水を与えてください。
植えてから2年ほど経過すると、それ以上の水やりは必要ありません。
【鉢植えの場合】
鉢植えの月桂樹は、土が乾燥した状態を見たらたっぷりと水を与えてください。
肥料の与え方
【地植えの場合】
2月には、月桂樹の根元周辺に有機質肥料を施してください。
【鉢植えの場合】
3月には、月桂樹の根元から少し離れた場所に固形肥料を撒きます。
大きさをなるべくおさえたい場合は、肥料を控えめにしてください。
剪定
月桂樹は形を整えるために剪定や刈り込みが必要です。
剪定は冬を除くどの時期でも行うことができます。
細い枝を間引くことで、風通しを良くし、見た目の改善や病気や害虫の発生を抑制します。
ただし、剪定を行いすぎると月桂樹の水分バランスが崩れ、根の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
病害虫対策
月桂樹はカイガラムシやすす病にかかりやすいことがあります。
これらの害虫は見た目だけでなく、月桂樹の成長にも影響を与えます。
カイガラムシが見つかった場合、適切な時期に農薬を使用し、成虫は丁寧に取り除くことが大切です。
季節ごとのお手入れ
夏・・月桂樹は暑さと乾燥に強いため、特別な対策は必要ありません。
健康を保つために定期的に剪定してあげましょう。
冬・・月桂樹は一般的に寒さにも強いですが、特に寒い地域では室内に入れてあげることも考えましょう。
月桂樹を増やしたいときは?
月桂樹を増やす方法には「挿し木」と「種まき」の二つがあります。
挿し木で増やす
挿し木は6月から8月が適期です。
その年に生長した枝を10cmから15cmの長さに斜めに切り取ります。
枝を選ぶ際は、葉が小さく形が整っており、枝が硬めのものがよいでしょう。
切った枝を1時間から2時間水に浸した後、挿し木用の土が入った鉢に植えます。
根が生えてくると、庭地や新しい鉢に移植します。
挿し木をする場所は直射日光を避け、湿度が高い場所がおすすめです。
この方法で増やした月桂樹が花を咲かせるまでには、約5年が必要です。
種まきで増やす
種まきは10月に行います。採取した種を小さなポットにまきます。
種から芽が出るまでには、約半年ほどかかります。
芽が出たら、健康に成長している苗を選んで植え替えましょう。
月桂樹はどんな実をつける?
春に月桂樹の花が咲いた後、雌株には花の後に果実ができます。
月桂樹の実は直径10ミリ前後の大きさで、緑色から秋になると熟して黒くなります。
日本で流通している月桂樹は雄株が多いため、実をつける雌株は珍しいでしょう。
まとめ
月桂樹の花が咲かない理由についてまとめました。
理由としては、
・日照不足
・水はけの悪さ
・肥料不足
・花芽を剪定で落としてしまった
・病害虫の被害
・気候に合わなかった
・前年たくさん花が咲いた
・木が若い
などが考えられます。
なぜ咲かないのかその原因はさまざまですが、上記のどれかに当てはまるところがないかぜひチェックしてください。
月桂樹は花が咲くと、可愛らしいクリーム色の花と爽やかな香りを楽しむことができますよ。
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